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don't worry be happy

WIREDっつー雑誌2.0、若林恵の胸板の厚さ。

2016年6月にWIREDネタで日記を書いていたが、あの特集(「いい会社」)が大変すばらしく、何よりも編集長(若林恵)の文章をひどく気に入って、あの後すぐに定期購読を申し込んだ。若林恵のWIREDは、どの特集も切り口が独特に感じられて、「雑誌」という媒体にこんなにワクワクしたのは、たぶん20年ぶりくらいだったと思う。

雑誌の特集って、「掘り下げる」イメージだったけど、

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若林恵編集長のWIREDは「深く掘るために広く掘る」みたいな感じがして(図はココ から拝借)、

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私にとっては、「自分が知らなかった広さ」を提供してくれる雑誌だったので、たとえそれがどんなテーマであっても、毎号の発売をとても楽しみにしていた。それ以上にやっぱり彼の文章を読むのがすごく好きだった。彼の知性に、ものすごい「胸板の厚さ」を感じた。「知性の胸板が厚い」って表現はどうかと思うが、きっとわかる人は分かってくれると思う。なんかその「胸板の厚い知性」に抱かれると、ホッとするというか、安心するというか、世の中まだまだ捨てたモノじゃないというか、要するに彼の「知性という胸板」に私は欲情していたのだった! 当時は「ネットで探せる若林恵」はほとんど読んだし、それでも足りなくて「WIREDの次の号」をいつも心待ちにしていた。「若林恵はいま何を考えているんだろう?」というのがとにかく知りたかった。この薄っぺらい世の中で、ひたすら「胸板の厚さ」を感じたかった(笑)。

 ところが定期購読を開始して2年経たないうちに「休刊します」ってなって、

エッ???

ハ??????

ハ、ハァ……!!!!!!

ってなって、たいへんガッカリしたが、残念がるヒマすら与えないかのごとく、その後の「休刊します手続き」がものすごい速さで迫ってきて、郵便為替が速攻で送りつけられ、「定期購読のお金は返しますゴメンね」って言われて「はあーーーーー(また1つ楽しみな雑誌が世の中から消えたー)」と思った。休刊の原因は、どうやら若林恵の編集長降板らしく、それが辞任なのか解任なのか分からないけど、「なんで彼が編集長を辞めることになったのか?!」を知りたくてあちこち検索もした。当たり前だが「それは、これこれこういう理由です」とはどこにも書いておらず、モヤモヤした気持ちのママ、手ひどくフラれた私は、「家に届かなくなったWIRED」と一緒に、若林恵のことも次第に忘れていった。

 ところがところが「WIRED復刊」とのニュースを聞きつけ、再び「ハアアアアア?!?!?!?!?!」ってなったのと同時に「誰が誰が誰が編集長をやんの!??!?!?!!?!!」と思った。名前を見たけど、知らない人だった(笑)。経歴を見ると村上龍がどうなこうなって書いてあった。それで「最新号の刊行に寄せた編集長のメッセージ」というやつを読んだ。読んだけど、何も書かれていなかった(笑)。「表紙の絵の説明」をしているだけだった(笑)。こいつ、クソだな、クズだな、ウンコだな。と思った。

 一方で「昔、私のことを振った元彼」が今何をやっているのか知りたくなったのとまったく同じ心境で、若林恵の現在を検索した(笑)。「未来なんてどうでもいい」って、まだ言っていた(笑)。一方的に読者にさよならを言った編集長が書いた本を、当時はどうしても読む気になれず、買わないでいたけど。たぶん、今こそ、これを読むときじゃないかと思った。

  「目に見えない胸板の厚さ」を自分がどうやって計っているのか説明できないけど。私にとっての「精神マッチョ」、若林恵の7年間の軌跡を、「フラレて1年経った今」なら、ちょっとは冷静に読めるかな~って思う。